針葉樹と広葉樹 天然木材の選び方
2022.02.16
家づくり相談室スタッフブログ
Writer
森瀬 将文 一級建築士
建築資材として使用される樹の種類は様々ですが、大きく分けて針葉樹と広葉樹に分類されます。
もう一つ大きな分類としては常緑樹と落葉樹があり、冬期に葉を落とすか一年中葉をつけているかで分類されます。
家具やフローリングなどの建築の材料として樹を捉えたときには先に述べた針葉樹と落葉樹の方が違いの特徴が現れます。
針葉樹(Softwood)の特徴
建築でよく使用される樹種
- 杉
- ヒノキ
- マツ(パイン)
松・杉・桧に代表される針葉樹は、比較的成長が早く主幹が真っすぐのびるので、柱や梁などの構造材に多くつかわれます。
英語でsoftwoodと呼ばれるように、比重が軽く柔らかいのが特徴で、床材に用いると肌触りがよく、温かみがある長所があります。
ラグマットなどを敷かなくても、裸足で過ごすのが気持ちよい樹種です。
逆に堅い木と比較して傷がつきやすく、そりや隙間が出やすいという短所があります。
柔らかければ柔らかいほど凹みやすいので、おもちゃ遊ぶ小さなお子様がいる家庭のフローリングに採用する場合は簡単に凹みや傷が増えてしまう事も視野に入れて検討する必要があります。
パインはナチュラルな風合いの家によく採用され、
杉やヒノキといった日本古来の木材は、和モダンの家にもよく似合い、人気があります。
柳杉の床 クリア塗装
杉の床 クリア塗装(見学会用につき家具下部ビニール保護シートあり)
パインの床 クリア塗装
広葉樹(Hardwood)の特徴
建築でよく使用される樹種
- ナラ
- タモ
- ウォールナット
- チーク
- メープル
これらの樹種は緻密で材の狂いが比較的少なく、家具・建具・床材等によくつかわれます。
ナラ材の床斜め張り クリア塗装
チークの床材クリア塗装
メープルの床材 コルク色塗装
ウォールナットの床材 クリア塗装
広葉樹にも、オーク・チェリー・ウォールナット等の風合いを好む方がいるため、積極的に選ばれています。
ニケンハウジングの実例で一番多く選ばれてきたフローリングがナラ材です。
針葉樹よりも堅さがあるので比較的凹みにくい事と、コストのバランスも良く、さらに北欧デザインの無垢の家具では、ナラの仲間と言えるオーク材が使われている物も多く、合わせやすいという事からもよく選ばれています。
気になるコスト
ナラ・タモ・ウォールナットなどは、比重が重く主幹も光のある方向に湾曲しながらゆっくり成長するため大きく真っすぐな材料はとりにくく、あったとしても非常に高額となります。
また、針葉樹・広葉樹に共通していえることですが、節ありと無節でその希少性により節のない材の方が高額となります。
それぞれの特徴を理解したうえで、コストと相談し適材適所を心がけることで、よりよい家づくりにつながると思います。
まとめ
以上を踏まえて、木の家具や建材を選ぶ際は、樹種の特徴に目を向けてみましょう。
特に床材・建材は、後から簡単に変更が効かないので重要な選択になります。
実際に見て触って、悔いのない選択をするようにしましょう。
Writer
森瀬 将文一級建築士
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