街中で家を建てるということ
2023.04.12
社長ブログ
皆さんこんにちは。代表兼お客様窓口丹羽です。
50年にわたり街中で家を建てていると思ってもみないような色々なことがあります。
そんな中でも今回は「借景」についてお話ししたいと思います。
名古屋で暮らしていると、緑が見えたり小高い土地からの見晴らしなど、景色が綺麗な土地は希少であり人気があります。
毎日の暮らしを豊かにしてくれる借景の価値というのは私たちは住宅屋ですから、十分に理解していますし、景色が綺麗な位置には窓を設けてお施主様が癒されてくれたらと思います。ですが、借景はあくまでも自分の所有していない景色を借りているものという事を忘れてはなりません。
不動産を購入するご相談を受ける時にもこの借景は目の前の土地にビルが建てられる可能性があるかどうか、低層地域かなども踏まえてお話しし、いつまであるかは分からないという事もお伝えします。
ここに関しては借景だけでなく、陽当たりや通風に関しても同じです。あくまでも自分の買った敷地内の外で起こることは自分の要望だけでコントロールはできないのです。
昔、広い敷地で建てた物件の隣の家から同様に、電気引込中継柱が邪魔で(こちらの敷地をまたいでの景色を前提にした窓設計をしておきながら)借景の邪魔になるから柱をどけろという何とも理不尽な要求が、あろうことかそこを建てた大手ハウスメーカーの担当現場監督まで一緒になって要求してくるということがありました。
いずれの事例も、自分の購入した敷地内で施主や設計が合理的な設計意図を持って建てた合法な建造物でした。
こちらからすれば理不尽の極みですが、問題なのは先方も自分の要求は正当だと思い込んで疑っていない点です。
「お互い様」という、まわりと協調する日本的ともいえる思考より、(自分勝手なものでも)自己の要求を先ずは主張してみるという風潮が昔に比べて増えているように感じて、すこし寂しい気持ちになります。
そんな世情もあって、近年は隣地に一切依存しないで自分の敷地の中だけで新築時、将来のメンテナンス時ともに工事が自己完結できる建物が求められています。
今は建替えの際、狭小地などは特にそれまで建っていた建物より幅が狭くなることもしばしばです。ですが、そこには民法規定の解釈や、境界ギリギリでも工事できる技術。
様々なノウハウがあってこそ新しい家になっていくのです。
周辺環境が難しい土地に建てた時の話やまた建てて喜んでいただいた成功事例もたくさんお伝え
できます。
聞いてみたい方はお客様窓口兼代表丹羽までお気軽にご連絡ください
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