街中のコンパクトな土地を購入検討中の方必見! 設計士が教える「狭小地を買う前に考えるポイント5選」

街中のコンパクトな土地を購入検討中の方必見! 設計士が教える「狭小地を買う前に考えるポイント5選」
森瀬 将文

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森瀬 将文 一級建築士

田舎でひろびろと暮らしたいと思う人がいる一方で、名古屋市内で地下鉄などの公共交通機関を使って移動できる街中や、スーパーや病院が近い利便性の高い土地に住みたいと思う方が大多数ですが、

需要が多ければ土地の坪単価も高騰し、広い土地はあまりにも高く、そうなるとコンパクトな土地に家を建てるという選択肢が必然となってきます。

 

街中の土地選びでお悩みの方に、コンパクトな土地を検討する際に注意することを5つまとめてみました。

ちょっと設計士目線な5選にしていますので、土地選びの参考にしてみてください。

 

1.住宅密集地ですか?

街中のコンパクトな土地というのは、隣家が近接した住宅密集地にあることが多いです。

そんな場合に注意するのが隣家との距離。

 

民法234条では、敷地境界から50cm 離れて建てる事が原則として決められています。

建て替える場合、工事を進めやすく、今後メンテナンスもしやすい事から、50㎝離して建てる234条に従う事をお勧めしていますが、

デメリットとしては両側50㎝と50㎝で間口の合計1m、そして背面にも隣家がある場合は背面も50㎝離す必要があり、間口の狭い敷地の場合、間口マイナス1mは大きな数字です。

隣や裏側に50cm 離して建てているお家があるならば、当方にも234条に従うように要求してくる可能性が高いです。

購入する際はそれでも許容できる空間が作れるのか、現実的に暮らせるのかをじっくり考えてみる必要があります。

 

236条 原則から外れ、地域の慣習に従う。

建設予定地の間口が狭く、50㎝も離せない狭さで236条を採用したい場合、近隣と協議する必要があります。

周辺の建物が敷地境界いっぱいまで建てられているなら236条に準じてその地域は建物を建てている事がわかります。
敷地境界いっぱいまで建てているなら、236条に譲歩してくれる可能性があります。

密集地の場合どれだけ不動産担当者もしくは建築会社の営業担当者に相談されてみてください。

 

2.第1種低層地域ですか?

 

1種低層住居専用地域:低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するための地域です。検討中の狭小地がこの地域だった場合はさらに注意が必要です。

これは13種類の用途地域の中で最も厳しい規制のある地域です。

高いマンションなどが建築できないため、どの土地でも日当たりが良く、隣地境界からの距離も1mまたは1.5m空けて、ゆとりを持って建築するので、圧迫感がなく通風も確保されます。

ですが購入検討中の土地が第一種低層地域で、面積が狭い場合は要注意です。

 

例えば、建ぺい率が50%、容積率が100%といったような厳しい規制がかかっている土地だと、ゆったりとした住環境は望めますが、土地の広さが十分でない場合、希望する規模の住宅がたたないどころか、現実的に3人家族のコンパクトな家すら建てられない可能性も充分ある注意が必要です。

逆にいえば、条件が厳しいと高い建物に採光を遮られることがなく、住宅環境が良好な地で暮らすことが出来ます

閑静な住宅街が法律で守られているので、高級住宅街などは第一種低層住居専用地域に指定されています。
環境が守られている分不動産価値が下りにくいので、もし将来、土地を売却する事になった場合に困ったことにはなりにくいでしょう。

 

↓第一種低層地域で壁面後退1mあった土地に建てたお家です。

室内は明るく広々とした空間を確保しています。

 

3.3階建てにしたいですか?

 

2.では第一種低層地域について解説しましたが、その中でも3階建てにしないと居住スペースの確保が難しい敷地面積の場合に注意したいのは名古屋市10m高度地区・北側斜線制限。

北側の建物に対して、日当たりや採光を確保するために設けられた建築物の高さ制限です。

第1・2種低層住居専用地域、田園住居地域、第1・2種中高層住居専用地域の用途地域に適用されます。

この斜線制限がある場合は以下のようにさらに難易度が高くなります。

逆にいえば、斜線制限が厳しいと高い建物に採光を遮られることがないので、隣に高いビルが建ち陽当たりが一切無くなってしまう可能性もなく、

安心して陽当たりを確保した家が建てられる地域だと言えますが、自分のお家も敷地が狭い分、上に上に面積を広げて開放感を得たいところですが、制限以上の高さの家は建てられませんのでご注意ください。

【図を参照】
 北側境界線で5m上がった地点から縦:横=1.25:1
名古屋市10m 高度地区(一低・二低)縦:横=1:1.5

このように北側は勾配を付けて建てなければならない決まりがあります。一番低い位置で5mですので2階の北側の天井高が5m以下になる部分が出てきます。

□ 敷地面積が小さいと斜線制限に引っかかる面積が多くなるため、延床面積(2Fの面積)が制限されます。
□ 斜線制限側を駐車場にして避けるなどの工夫ができるほど土地の面積が無いので3階建てを建てることが難しくなります。
□ 土地が真北を向かず東西に振っていると、二方向の敷地境界から斜線制限が掛かります。
□ 複雑な形状の屋根になる可能性があります。

 

第一種低層地域 名古屋市10m 高度地区に建てたお家 ↓ 南北に短めの土地の場合は厳しい斜線がかかります。

 

↓土地が真北を向かず東西に振っていて、二方向の敷地境界から斜線制限が掛かっている敷地に建てたモデルハウスLUXE

 

4.電柱・電線にも注意

密集地にありがちなのが電柱と電線問題。建て方と言われる構造を組み立てていくタイミングではクレーンで木材などを上から降ろします。

電線を避けながらの作業になりますので建築難易度が上がり、注意が必要です。

また、敷地の邪魔になる場所に電柱が立っている事もよくあります。車の出入りが出来なかったり、工事がしにくかったり、採光の邪魔になるなど間取りが組み立てにくくなったりする場合は移設の申請をしますが、その分のお金が発生します。自分の敷地内へ入れると安くなったりすることもあるのですが、狭小地の場合は敷地内に入れてさらに狭くするという選択はしないと思いますので、電柱が邪魔な土地を検討中の場合はそこの費用は見ておくと良いです。

 

5.大空間リビングにしたいですか?

狭小の敷地で、耐震性の高い家を建てる場合、在来工法や2×4で建てると耐力壁など必要な壁や柱が多くなり、広い空間を取る事が難しくなります。

特に間口が狭く、奥行の長い土地では建物のカタチも細長く縦に長くなりますが、その形状はとても揺れに弱いです。

そういう場合の強度上げる方法として垂直方向に壁を入れるのですが、その分空間が細切れになっていきます。

 

3階建て=鉄骨じゃないと丈夫な家は建てられないというイメージを持っている方も多いと思いますが、弊社では少ない柱と外周の耐力壁で広い空間ができ、狭い敷地でも壁や柱で遮らない広々とした空間ができる木造耐震構法のSE構法を使用し、ビルと同じ構造計算(許容応力度計算)を全棟行って耐震等級3の木造狭小住宅を数多く建築しています。

 

狭い敷地でのマイホーム建築でお悩みの方は、一度弊社の「よろず相談」にてご相談ください。きっと解決の糸口やヒントが見つかると思います。※無料です。駐車場・キッズスペースあり

 

狭小住宅の施工事例はこちら

森瀬 将文

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森瀬 将文一級建築士

一級建築士
ドラゴンボールは願いを3つしか叶えてくれませんが、 ニケンではもっとたくさんの願いが叶うプランを提案していきたいと思います。
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