プロが考える、家を建てる上での 優先順位
2018.01.19
家づくり相談室
住宅を建てるにはデザイン、構造、ゾーニング、環境、パッシブなど検討することがありますが、その中でも一番大事なのはやはり構造です。
22年前の1月17日は、忘れもしない阪神淡路大震災が起きた日です。22年たった今も、1月17日前後はテレビなどで特集が組まれていますね。
日本は地震からは逃れる事ができません。
実に、世界中の地震の1/5は日本で起こっているのです。
家に人が住む限り、構造の安全性以上に再優先される要素はないと私たちは考えて家をつくっています。
次に予算です。
過度な住宅ローンが生活を脅かしてはいけません。
その二つを踏まえてから、生活動線、デザイン、パッシブなど暮らし心地や快適性を盛り込んでいきます。
では、2つを踏まえた構造とはどんなものでしょうか。
重量鉄骨やRCなどは丈夫ですが木造に比べ高額になります。土地と建物を両方購入する場合は、木の温かみなどの素材の好みとはまた別の問題である、予算の面でも木造を選択する方が多い傾向にあります。
木造でありながら、安全な構造を以て理想の間取りを実現し、長期にわたり価値を保つことができるSE構法は、鉄骨造に比べコストも下がります。
設計自由度も高くとても使いやすい工法なので私たちも採用し、お勧めしておりますが、デメリットとして木造の在来工法と比較してしまうと、フレームの費用が高額になります。
木造で建築をお考えの場合は、大空間や間取りの自由度・可変性を求めなければ、必ずしもSE構法でなくても耐震性を確保することは可能です。
壁量や梁、柱がバランス良く確保出来るのであれば在来工法も地震に耐えうることができる安全な工法です。
在来工法でも壁量計算ではなく大型建造物と同じ手法での構造計算をする事が出来ます。
在来で建築を計画されている方は、壁量計算ではなく、構造計算(許容応力度計算)によって安全を確認する事をお勧めします。
建築基準法も地震が起きる度に改正され、進化してきました。
それでも、まだまだだと私たちは思っています。
建築基準法を最低限守っていれば安全性は大丈夫、安心ですよ。とは建築従事者としてはとてもお客様に言えません。
マイホーム建築は、大多数の人が一生に一度の経験です。
自分たちの老後、不安になり建て替えたくなるような家ではなく、末永く安心して住める家は、きっと30年後、40年後に「建築費が高くなってしまって別の事をあきらめたりもしたけれど、丈夫さを最優先してよかった…」と思えるはずです。
これから一生を共にするであろうマイホーム。
優先順位を明確にし、自分自身で納得のいく取捨選択をすることは大切です。なるべく後悔の無い家づくりをしたいものですね。
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